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2018.01.27BLOG【加賀友禅の豆知識】

京都の着物は公家文化の中で栄えたため豪華絢爛な華やかなさを特徴としているのに対し、金沢の着物は、落ち着きのあるやわらかい線と、写実的な絵画のような模様が特徴です。それも、加賀藩がおさめていた武家文化のなかで洗練されてきたため、丁寧な仕事をする職人さんたちのこだわりが一筆一筆に詰まっているからといえます。

 

絵画調の柄を特徴とする加賀友禅は、写実性を強めるための白い線はときには太く、ときには細く変化をつけることで装飾効果をも高めています。ボカシや虫喰いの技法もよく使われています。京友禅が内側から外側にボカシてあるのに対し、加賀友禅では逆に外側から内側に向かってボカシてあるのが一般的な特徴といえます。また色彩は、紅系統を生かした多彩調で、加賀五彩といわれる藍、臙脂(えんじ)、黄土、草、古代紫を基調とします。

 

一方の京友禅は淡青単彩調が多いといわれています。主な工程だけで、「図案作成→下画→糸目糊置き→彩色→蒸し→伏せ糊置き→地染め→蒸し→水洗い」と9つあり、そのすべての過程で熟練の技術が求められます。一点一点、根気と時間をかけて仕上げられる手描き友禅は、それゆえに高い価値を誇ります。

写真提供:金沢市観光協会 参考HP:加賀染め振興協会